米国に工場のあるお客様へ自動車部品製造ロボットラインを納入し、日米間遠隔サポートで立ち上げを行いました。
約3週間のサポートののち、立ち上げは完了しラインは稼働を開始しました。
この度の立ち上げ成功については、何よりも当社からの遠隔サポートの提案をご理解くださり高い技術をもって迅速に的確な作業を行ってくださったお客様に深く感謝申し上げます。
そして、予想し得なかったコロナ禍という状況において、このような新しい試みにチャレンジできたことは当社にとって得難い経験であり、自信となりました。
通常であれば装置の立ち上げは当社の立ち上げチームがお客様の工場へ伺い作業を行っています。本件も当初は米国への渡航を予定していたのですが、コロナウィルスの感染拡大により外務省からの渡航中止勧告が継続している状況下、コンプライアンスの遵守等の観点から、お客様の生産開始日程に合わせた渡航は不可能と判断いたしました。そこで、やむを得ず実際の作業はお客様に行っていただき、当社は日本からできる限りのサポートを行うことをご提案いたしました。
遠隔サポートによる立ち上げは当社にとって初めての経験であり、またお客様も装置の立ち上げのご経験はないとのことでしたので、困難な挑戦となることが予想されました。そのため、お客様とともに入念な準備を行ったうえ、立ち上げに臨みました。具体的な経過は以下のとおりです。
① | 詳細な作業マニュアルの作成 |
② | 適切なハード・ソフトのツールの選定 |
③ | 立ち上げチームは勤務時間をお客様の工場の稼働時間に合わせてシフト |
④ | サポート初日は作業マニュアルの共有 |
⑤ | 以降はスマートフォンのビデオ通話アプリ(What‘s App)とパソコンの遠隔操作ソフト(クロームリモー トデスクトップ)を使用して、 |
⑥ | 当社のモニタに作業中の装置やお客様のパソコンの画面を映し出し、 |
⑦ | 視覚・聴覚の両方を用いてリアルタイムで状況を共有しつつ、 |
⑧ | 作業を進める中で発生する疑問や不具合にその都度、口頭での説明やお客様のパソコンを遠隔操作するこ とにより対応 |
それぞれのツールがスムーズに機能し早急な問題解決を図ることができた結果、当初予定していた4週間より早い約3週間で立ち上げが完了しました。
また、当社で立ち上げ作業を行う場合は、装置の調整を行ったのちにお客様へのレクチャーの時間を頂戴するのですが、今回の遠隔サポートではお客様ご自身で作業をおこなっていただいたため調整とレクチャーを同時に行うことができたことも時間の短縮につながり、このような短期間での立ち上げ成功の一因となりました。
一方で調整難度が高い部分においては直接目視するのと画面越しに確認するのとでは感覚的なずれもあり、判断に必要な情報の伝達に苦労する場面がありました。この点に関しては入念に行ったつもりの事前準備が不足していた点であり反省するとともに事前準備の重要性を再認識し今後の改善に繋げていきたいと考えております。
この度の件を通じ当社では、今後も環境の変化に柔軟に対応しながら経験のないことにも恐れることなく挑み、お客様に感動していただけるような技術やサービスをご提供してまいりたいとの決意を新たにいたしました。